今回は「相談室あるある」の第7弾!そして今昔物語の第2弾となります。
個人事業主の結婚相談所が「他に無い」「一番の売り」として会員に提供できるものが、「会員さんへのアドバイス」です。その方が結婚するために、どのように活動すればよいか?良いところはどこか?悪いところはどこか?等々、それぞれの会員さんに合ったアドバイスをして成婚に導いていくというのが、個人事業主の結婚相談所の「最大の売り」といっても過言ではありません。
「大手」と呼ばれるウェブ上でよく広告を見て、母体や資本が大きい結婚相談所はこの「会員さんへのアドバイス」があまり無いと言われています。これはどちらが良い、悪いという訳ではなくビジネスモデルが違うのです。ここはまた別の機会にお話しするとして、このアドバイスとうまく出来るようになるかが、これから個人事業主として相談所を開業し、継続していく上での重要なポイントであり、小規模の相談所が大手に対抗できる材料の一つとなります。
そのアドバイスの手法や求められている内容が昔と今では変わってきているというのが今回のお話です。
前回の今昔物語「今婚活で女性に求められている姿勢とは?」では昔をこの記事を書いた2015年の10年前と定義したので、今回も10年前の時代を参考にお話したいと思います。
昔はやり方を限定することが成果につながっていた
昔、多くの相談所が取っていたアドバイス方法を端的にセリフにしてみると、このような形です。
- 「あなたはこのほうがいいですよ。」
- 「あなたのここが良くないから、こうしなさい。」
- 「あなたの言っている内容だと難しいから、これぐらいにしなさい。」
- 「あなたはこうじゃないとダメ!」
等々、アドバイスする相談所長側の知識や経験則を基にして、会員さんに方法を限定したアドバイスを行い、成婚まで導くという手法が主流でしたし、それで結果につながりました。
ですが、現在この手法を取ると、会員さんがすぐ辞めてしまったり、トラブルになるケースが増えてきています。なぜかというのは後でまとめて説明するとして、次に今求められていて、トラブルになりずらく、成果につながりやすい方法はこちらです。
逆に今は、やり方を自分で選択させてサポートする形が望ましい
今、行っていただきたいアドバイス方法もセリフにしてみると、今度はこうなります。
- 「あなたはどうしたらうまくいくと思う?」
- 「あなたは自分のどこを直したらうまくいくと思う?」
- 「あなたは自分のどこに自信が持てないの?自信を持てないのは何が原因?」
- 「それにはこういう方法があるけど、やってみる?やりたくない?」
等々、会員自身に考えさせて、会員さんの口から答えをしゃべるように促し、答えが出せなかったり決められない場合は、それに対して前に進むためのアドバイスをして、それも会員自身に選択させていくという手法です。
どうして変わったか?そうなった原因とは?
では、どうしてこのような変化が起きたのか?その原因は
- PC(パーソナルコンピュータ)、インターネットの普及
にあると、考えられます。
「ここへ来て急にインターネットの話ってなんで?」という方も多いと思うので、順をおって説明していきたい思います。
日本におけるPC、インターネット普及に勢いが付いたのが1995年から1998年にかけてです。これは文字通り当時画期的だったパソコン用のOS「Windows95」が発売、98年には「Windows98」が発売され、PCの操作性が格段に向上しました。それまで仕事場だけであったりマニア向けのツールであったPCが、一般ユーザーにも広く使われるようになり、それと同時に今では当たり前となったインターネットが急速に普及することとなります。
インターネットの普及でそれまで本を読んだり、その現場に行かなければ分からない事柄や、普通では手に入らないような専門的な情報等々が一般の方でも比較的簡単に情報収集が出来るようになります。
このように、PCやインターネットの普及が進み、誰でも簡単に多くの情報が収集できるような環境が確立されたのが約10年前の2005年前後です。一般家庭へのパソコンの普及率はWindows95発売の翌年1996年は約17%でしたが、10年後の2005年には約65%と急騰しています。その後の10年間(~2014)の普及率は約80%と+15%までの伸び率ですし、1996年以前は約10年間で+5%あがるかあがらないかといった伸び率です。
1996年~2005年の10年間でどれだけ急速に普及が進んだかがわかるかと思います。
個人の情報収集力が上がったことで、顧客-業者間の情報格差が無くなった
これらの普及により、一般の方でも多くの情報を手に入れることが出来るようになりました。そのため、下記のような構図が出来上がります。
昔
相談所:「あなたはこうじゃないとダメ!」とアドバイス。
↓
会員:「ああ、いままでいろんな経験をしている相談所の言うことだから間違いないだろう。」と言う事を聞く。
↓
相手側も同じようなアドバイスを受け入れて、両者とも「経験者である相談所が言うから間違いない」とアドバイス内容を受け入れてうまくまとまる。
このように、昔は会員さんが自分でいろいろな情報を収集したり調べることが難しく、アドバイスがほぼ相談所からのみの状況だったため、その内容を受け入れて成婚に向かうことがほとんどであり、それが当然だったため少し高圧的な指示でも内容が的を得ていれば、トラブルになることが少なく、結果的に成婚へとつながっていました。
ところが今はというと
今
相談所:「あなたはこうじゃないとダメ!」とアドバイス。
↓
会員:ちょっと自分が気に入らない言われ方や痛いところを付かれると「この人が言っていることは本当に合っているのか」「自分にはこの相談所は合わないんじゃないか?」とインターネットでいろいろ調べる。
↓
仮にその指示が的を得ていたとしても、自分の居心地の良い相談所に移ったり、自分に賛同してくれる意見だけを受け入れて、自分を変えようとしない。
↓
結果、成果につながりづらい。また「お金払っているのに、なんでそんなこと言われないといけないのか?」「決まらないのは、私の思うように対応しない相談所のせいだ」とトラブルに発展しやすい。
となります。
このように会員-業者間の情報格差が無くなり、さまざまな情報を個人が収集できるようになったことで、情報が相談所からのアドバイスだけではなくなり、いろいろな情報を収集する結果、自分の都合の良い情報だけを集めたり、自分を変えなくても良い方向に流れていきます。
また、情報が簡単に手に入るようになり、自分で考え自分で決めるという姿勢が薄れ、その結果、アドバイスしたにもかかわらず「相談所に言われたからやったのに、結果が出ないのは相談室のせいだ」などと、うまくいかないことを相談所側のせいにされて、会員の成婚を第一に考えてやっているのにトラブルに発展するといったこともあります。
結果につなげるためには?
ですので、現代の結婚相談所は「アドバイスしつつ、最後は会員さん自身に決めてもらう」というスタンスを取られると良いです。先ほど挙げた
「あなたはどうしたらうまくいくと思う?」
という質問形式であれば、会員さんが自分で答えを口にします。ただただ言われたアドバイスではなく、自分で答えを言っているので、会員自身に責任の気持ちも生まれますし、人のせいにすることも少なくなります。また仮に「わからないから相談所にお世話になっている」等々、自分で答えを出さない返答をしたとしても、先に書いたような
「私の経験では**という方法があるけど、それでやってみる?」
とアドバイスをした上で、最後の答えは会員自身に出させるのがより良い方法です。
こうすることで
- 会員さんに自分で考えさせて決断させ、
- 自発的・積極的に活動してもらうように導き、
- うまくいったこともいかなかったことも自分の事として自己解決できる。
となります。会員さん自身が自発的・積極的に活動することが、結果につながりやすく、スムーズな婚活のキーポイントの一つですし、自己解決させることで、トラブルになる可能性もかなり抑えられます。もちろん、会員さんの自己解決だけでは相談所の意味がありません。アドバイスすることが非常に重要になるのですが
「アドバイスが単なる指示にならず、投げかけて会員自身に決断させる」
ようにサポートする事が今は重要なのです。
総括
今回の相談室あるあるはいかがでしたでしょうか?参考になりましたでしょうか?
次回も結婚相談所であるエピソードをどんどん紹介したいと思います。知らない人には「ふ~ん、そんなことがあるんだ」、既にお仕事されている相談所の仲人さんには「あ~、これあるある」という内容をお伝えしていきますのでお楽しみに。
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