個人事業主が結婚相談所を開業しようと思ったとき、選択肢としては主に2つの方法があります。
- 結婚相談所が集まる団体に加盟する。
- どこにも加盟せず、個人で開業する。
の2つですが、現実的に2.の方法を取るのはかなりハードルが高いです。最大の理由は
- 入会した会員さんに紹介するお相手が知り合いのみ、もしくはいない。
からです。個人でやるとよほど人脈が広い方でない限り、相談所に来所したお客さんに紹介できるお相手が限られてしまいます。しかも知り合い全てと契約をして、活動時のルールを徹底して・・・・等々を考えるとあまり現実的ではありません。
ですので、個人事業主の方が相談所を開業する際には、1の方法を取るのが現実的です。
団体に加盟するメリットとしては
- 相談室運営のノウハウを学べる。
- 既に加盟している別の相談所(個人事業主)の方と交流が出来る。
- その方達が登録している会員さんを、自分のお客さん(会員さん)に紹介したり、お見合いできる。
- 交流やお見合いのやり取りに必要な最低限のルールが整備されている。
- 個人でやるよりも、消費者からの信頼を得やすい。
等々があり、未経験者の方でも個人で立ち上げるよりはるかに効率的に結婚相談業をはじめられます。だからと言って、全ての団体が同じ費用やルールで運営しているわけではありません。
その団体の「色」というか「雰囲気」というものあります。また、そもそも契約自体が「団体と直接契約しているつもりが実は違った!」といった事もあります。
今回は「色」や「雰囲気」などの抽象的なものから「契約形態」や「費用」など具体的なものまで、加盟時に注意が必要なポイントをお伝えしたいと思います。
1.直接の加盟契約か?支店・分室契約か?
はじめて相談所を開業する方の契約形態として、一番気を付けていただきたいのがこのポイントです。相談所を始める際に団体に加盟する形態が大きく分けて2種類あり、
- 団体と直接契約をして直接の加盟店となる。
- 団体に加盟している相談室と契約をして、分室や支店となる。
のどちらかです。この選択はその後の相談室運営を大きく左右するので必ず確認する必要があると思います。
ただ、始めて相談業に携わる・もしくは開業を考えた場合、直接の加盟や支店の違いってどんなものなの?と言う方が多いと思うので、実際に加盟手続きをする前に担当者の方に下記の4つを確認してみて下さい。
- お仕事で使うインターネットシステムは、どの団体のシステムですか?
- 月会費等のお支払い先(口座)はどなた宛てですか?
- 普段のサポートや指導はどなたが行いますか?
- 困ったときの相談はどなたにすればよいですか?
この上記4つでほぼ判断ができます。
まず、インターネットシステムは現在、結婚相談業をする上で欠かせないもので、これを「自社独自のシステムです」という回答が返ってくれば団体と直接契約の可能性が高いですし、「***という団体のシステムが利用できます」と言う場合は、支店・分室の可能性が高いです。
そして月会費等の支払いに関しては、お支払いの口座が上記のインターネットシステムを運営している会社と同じかどうかを確認下さい。お支払先が団体の口座でなく、説明を担当している方の個人口座や一相談所の名義の口座の場合は支店・分室の可能性があります。
また、支店や分室の場合、相談業に関して普段の指導や研修などのサポート、困ったときの相談窓口が「うちではなく***という団体に相談して下さい」と言われる場合があります。説明を担当している方自身が相談を受けて頂けない場合は、支店・分室の場合が多いです。
と何点か確認箇所を上げましたが、なぜこのような話をするかと言うと、直接の加盟と支店・分室の違いが「その団体の加盟相談室として活動する権利が、自分か自分ではないか」というところです。権利が自分に無いと以下のような事が起こります。
- 団体からの正規サービスが受けられない(可能性がある)。
- 休会する際に親相談室を通さなければならない。
- 自分の権利ではないので、勝手に再開や譲渡できない。
など、同じ費用を払っているにもかかわらず、支店・分室であるがゆえに損をしてしまう可能性があります。ご注意下さい。
ただし、既存の相談所の中には上記のような説明をしてそれぞれの加盟団体を紹介してくれるところも存在します。紹介の場合は、支店・分室とは違ってその相談所があなたと団体の橋渡し役となり、団体と直接契約となります。その場合は紹介元にもよりますが、加盟後も懇意にしてくれたり、いろいろな事を指導してくれたりする場合もありますので、一概に損をするわけではありません。
いずれにしても、大元の所属団体がどこなのかを加盟前にしっかり確認して、その大元に直接問い合わせをしたほうが間違いがありません。何事もよく確認をするという意識を持たれた方が良いです。
2.費用に関して、当初の説明以上の費用がかからないか?
加盟後、当初の説明よりも契約時のイニシャルコストが掛かったり、当初聞いていたランニングコストよりもずっと掛かるという場合があります。
ランニングコストは正直なところ、説明を聞いていても運営してみないと分からないところはあると思いますが、イニシャルコストに関しては説明時と変わるとおかしいですから、費用に関しては契約前によくご確認いただくことをオススメします。
3.ご自身が活動するにあたって、お仕事をしにくいルールや規則がないか?
団体に加盟すると、活動するにあたってそれぞれのルールがあります。取引先のほとんどが個人事業主ですので、日ごろのやり取りに関して最低限のルールが無ければスムーズなやり取りが出来ないからです。また、自身の団体以外の外部とのかかわり方に関して制約を設けているような場合もあります。
例
- 他の団体に加盟(掛け持ち)してはいけない。
- 相談所同士で必要以上の交流をしてはいけない。
- 会員からの支払いを団体本部を通さなければいけない。 等々
ご自身の考えている運営スタンスにその団体のルールがあっているかどうか?、ということが重要です。個人事業主として独立したにもかかわらず、自分の思い通りの動き方ができない!何てことにもなりかねないので、事前にルールを確認するようにしましょう。
4.ご自身の営業地域に強い団体かどうか?
その団体によって、強い営業地域(関東、関西、東海、九州等)が違う場合があります。
その地域に強い団体に入ったからといって成功するわけでもありませんし、その地域に弱い団体に入ったからといって失敗するとは限りませんが、会員の結婚を決めるためのお見合いやお引き合わせ等、取引が普通に出来るかどうかは、相談業を営む上で重要です。
ご自身がやり取りするであろう地域に最低でも10相談室ぐらいはあると良いですよ。
5.相談が出来たり、指導体制が整っているか?
結婚相談は人相手のお仕事ですので、積極的に活動していればトラブルが発生することもあります。結婚相手紹介サービス業が平成16年に特商法で「特定継続的役務提供」に指定された後からは、クーリングオフや中途解約など相談室側の対応する事象が増えてきています。
こういった対応に関して、契約先が相談できたり、指導を受けられる存在かどうかが非常に重要です。これは支店や分室だった場合の親相談所だけでなく、直接団体に所属している場合でも、契約形態によってはしっかり相談ができない場合もあります。
契約前に
- 相談窓口の有無
- どの程度まで相談にのってもらえるか?
を良く確認してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?相談所を始める際には、契約形態がどのようになっているかも注意深く確認して、よりスムーズに相談所を立ち上げて下さいね。
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