結婚相談所をする上で、常に考えなければいけないものの一つに「会員の集客」があります。特に実績や経験を求められる結婚相談所において、独立開業したばかりの相談所は「最初の会員」を取るのに苦労する場合が結構あります。
この「最初の会員」に関してですが、先輩相談所から話を聴いてみると、面白い事に
- 数十年前からずっと1人で相談業を営んで、多くの会員さんを成婚させている実績十分のシニア仲人さん
であっても
- 法人形式でスタッフを数名雇って個人事業主としては規模が大きめの相談業を営んでいる、若手・中堅敏腕仲人さん
であっても、「最初の会員」に関してはほぼ同じような形で入会されているのです。そのほかにも多くの結婚相談所の方から話を聴いてみると、「最初の会員」には代表的なルート・パターンがあります。
その1.知人、友人
これがもっとも現実的であり、お話を聴いた際に返ってくることが多い答えです。ここでいう知人とは、かなり近しい間柄の方だけでなく取引先や異業種交流会等で実際にお会いした事がある方達を指します。
ご自身で声を掛けられるので広告費がかかりませんし、直接会える環境にある方ですので結婚相談所長ご自身が積極的にアプローチする事ができます。
知人、友人を入会させるコツとしては、
- 独身の方は、具体的に相談所の話をすると引いてしまう場合も多いので、最初は相談所を始めたことだけを伝えて、無理に入会を勧めない。あくまでさりげなく伝える。
- 結婚相談所自体に抵抗感がなく、真剣にお相手を探す意思があり、確実に独身かどうか身元をしっかり確認した方にのみ、個別でアプローチをかける。
- 基本的には値引きはしないほうが良いが、費用がネックになる場合は入会時費用(会員側のイニシャルコスト)を値引きして、月会費等(ランニングコスト)と成婚料(結婚が決まったときの成功報酬)は頂く約束にする。
多くの方が集まる場所で「どうですか?宜しくお願い致します!」と話して回ってもなかなか成果がでません。その場で「相談させて下さい。是非入りたいです!」というのはちょっと勇気がいりますよね?それよりは確実に1人ずつ、対象の入会希望者が「他の方にばれないように」入会を検討できる環境を作ることがコツです。
また、費用は本来きっちりいただくのが理想ですが、あなたがまだ相談所を始めたばかりで、実績が無ければ多少のディスカウントも有効かと思います。それもただただ値引きするのではなく、「仕事を始めたばかりで迷惑を掛けるかもしれないし、私も勉強したいからその意味もあって特別に入会の際の費用はいただきません。ただ、しっかり気持ちをこめて一生懸命お世話するので、月々の費用や決まったときの成功報酬は下さい。」という形にすれば、敷居は通常よりも低くなります。
費用面がネックで無い場合はわざわざ値引きする必要はありませんが、真剣にお相手探しを考えている方にこれを提案する事で「最初無料だったら少しやってみようかな?」と考えさせるには良い手法です。
その2.知人、友人からの紹介
こちらもその1.と並んで多い答えの一つです。
知人からの紹介は以前の記事「集客の基本!結婚相談所の集客重大ポイント3つ教えます!」にも書きましたが、これに関しては新人・中堅・ベテラン、どの階層の結婚相談所でも活用可能であり、活用すれば広告費を抑えて集客が出来るまさに王道パターンといえます。
知人、友人を入会させるコツとしては、
- 先に述べたとおり広告費をかけなくて済む。
- 入会時に頂く費用の中から、紹介者に渡す紹介料を捻出できる。
- その入会者の結婚が決まった場合、頂いた成功報酬の中から、紹介者に渡すお礼を捻出できる。
が上げられ、上記の運用がスムーズになるとさらに
- 紹介者から、すぐ結婚が決まりそうな良い入会希望者を紹介してもらえるようになる。
というメリットが追加されます。
さらに理想的な形としては
- あなたの志に共感して、こちらから頼まなくても入会希望者を紹介してくれる。
- あなたのファンで、紹介料を支払わなくても入会希望者を紹介してくれる。
ようになれば、究極の理想形となります。
紹介の場合は、入会者にいただいた入会時費用の一部(大体10%程度)を紹介いただいた方にお返しする仕組みを構築できると、紹介者が積極的に身の回りにPRをしてくれるようになり、よりコンスタントな紹介をいただける可能性が高くなります。
また、紹介してもらった会員を結婚まで導く事が出来れば大きな額の成婚料(相場は15~30万)をいただけて、そこからさらに紹介者へ10%ほどのお礼を返す事が出来ますので、紹介者はさらにがんばってPRをしてくれるようになり、その繰り返しのサイクルが定期的な集客につながります。
通常の広告費は
- 問い合わせが来るかどうかわからないが、問い合わせをもらうために先出しで費用を払う
訳なので、結果的に費用倒れになる場合が結構ありますが、紹介の場合は
- 頂いた費用の中から、紹介者に後出しでお礼を払う
訳なので、決して費用倒れになる事はありません。結果としてあなたの負担は精神的にも経済的にもかなり軽減されます。
これをうまく運用するコツとしては
- いかに人脈の広くて信頼できる協力者と親しくなれるか?
- もしくは人脈が広くなくても、あなたを心から応援してくれる協力者をたくさん作れるか?
に尽きると思います。
相談所を始めて最初のうちは闇雲に広告を打つのではなく、実際に人と接する事が出来る交流会や知人とのお食事会等に費用を使って、紹介をいただけるような環境を整えるほうが得策です。
始めたばかりの相談室が広告を打っても入会を増やす効果はほとんどありません。広告は消費者に商品やサービスのメリットを伝えるためのものですが、始めたばかりの相談室には消費者に訴求できるメリットが大手や熟練仲人の相談室に比べて少ないです。
例
大手
- 日本最大級の会員情報の中からあなたにマッチしたお相手情報をご紹介!
熟練仲人
- 経験豊富なカウンセラーが、あなたを成婚まで徹底サポート!今すぐ問い合わせを!
- 成婚実績多数!多くの方を幸せにしています!
新人仲人
- 新規開業のフレッシュな相談所です。あなたをお世話する情熱は誰にも負けません!
それぞれのメリットを端的にまとめるとこのような感じになるかと思いますが、結婚をしたい消費者に訴求が強い項目は
- 「多い会員数」「実績多数」という表記に代表される「量」
- 「経験豊富」「成婚実績」という表記に代表される「質」
になります。
ですので、広告を打てば問い合わせは増える可能性がありますが、経験の浅い相談室が入会を取れる可能性はかなり低くなります。また、入会の可能性が薄い問い合わせ対応に時間を取られるぐらいであれば、実際にお会いできる方達との交流の時間に使い、競争相手がいない状態で自分を売り込む事に費用を使ったほうが最初のうちは効果的です。
法人で別事業も展開しているような大きめの結婚相談所でも、別事業のお客様から「うちの息子が結婚しなくて困ってるんだよ」という相談を受ける事も多いそうです。ご自身でいろいろな所に足を運んで、対面で直接アプローチしていく事が、「最初の会員」を獲得する一番の近道です。
その3.お子さんや親戚
稀にご自身のお子さんの面倒を見たいという事で相談業を始める方がいらっしゃいます。これはその場合に当てはまりますので少し特殊ですが、相談業を始められたい方からの問い合わせや開業の理由としてはそれほど珍しいものではありません。
親戚も声を掛けやすいですし、「親戚がやっているなら安心かも」と普段のお付き合い感覚で入会してもらえる可能性もあります。
前述の2つよりもかなり近しい関係ですので、より入会に近い存在ですが、だからこそ十分に注意すべき事が多々あります。
- お子さんや甥御さん・姪御さんの場合は必ず御本人の活動の意思を事前に確認する。
- 親戚であっても、通常必要になる証明書類(独身証明、学歴証明、年収証明、国家資格などの証明)の類をしっかり取る。
これらが上げられます。
「親の心、子知らず」とはよく言ったもので、親御さん自身が熱心で、活動するお子さん御本人がそうでもない場合があったり、「うちの子は私の言う事であれば何でも聴く」と思い込んでいて、いざ相談所を始めて入会を勧めても嫌がって活動しない・・・何てことが起こる可能性がかなりあります。先走る前に必ずお子さんや親戚御本人に確認を取って下さい。
また、比較的身元が分かっている者同士の取引なので、「あなたは独身だって分かってるから証明出さなくてもいいよ」などと言うやり取りが起りやすい状況ですが、なにか問題が発生した際に「書類を取っていなかった事」を責められるのは相談所側ですし、会員様である事には変わりはないので、他の会員様と同じように対応する必要があります。
とはいえ、開業後に一番声を掛けやすい存在には変わりありません。積極的に売り込んでみましょう。
総括
いかがでしたでしょうか?
最初のお客様を広告から取る事は非常に難しいです。取れる可能性が高いのは
- 「ご自身で会える範囲にいて、競争相手がいない状態で直接アプローチができる独身の方」
- 「あなたご自身を心から応援してくれる方から紹介いただける独身の方」
ですので、最初は闇雲に広告を打つのではなく、
- 身の回りの独身者をいかに取り込めるか?
- 独身者をご紹介いただける協力者をいかにたくさん作れるか?
考えながら、ご自身が率先して独身者と接点を持つ事が重要です。
こちらを参考にして、集客活動がんばって下さいね。
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