結婚相談所に興味があり、開業を考え始めた方の頭にまずよぎるのは「費用はどれくらいかかるの?」といったお金の心配ではないでしょうか。開業を目指してはいるものの、現在手元に資金をあまり持ち合わせていない方も少なくないと思います。
「結婚相談所は開業にも運営にもそこまで費用はかからないから低リスク」と言われても、実際のところは分かりませんよね。
そこで本記事では、結婚相談所の開業資金やランニングコストの具体例だけでなく、他業種とも比較。より低リスクで結婚相談所を開業・運営していくためのポイントも合わせてご紹介していきます。
結婚相談所の開業を迷っている方、副業を始めようとされている方は必見です!
結婚相談所の開業資金は「連盟への加盟金」と「備品代」だけでOK
実は、結婚相談所は「連盟への加盟金」と「備品代」だけで開業することができます! 他業種よりも圧倒的に安価で始めることができるのです。
具体的に内訳を見ていきましょう。
パソコンなどの「備品代」
結婚相談所を実際に運営していく際には、会社と同じで細々とした備品が必要です。開業するために最低限必要な備品と金額相場を一覧にしてみました。
備品 | 相場 | 目的 |
パソコン | 5~20万円 | 事務処理や会員情報の閲覧(タブレットでも可) |
プリンタ | 1~5万円 | 資料の印刷 |
携帯電話 | 1〜5万円 | 会員の方との連絡手段(スマホ推奨) |
名刺 | 1〜5千円 | 「結婚相談所のオーナー」と認識してもらう |
インターネット回線 | 4千円 | 会員情報の閲覧や会員との連絡 |
「たったこれだけ!?」と思われるかもしれませんが、結婚相談所の仕事は事務所を借りなくても十分対応できるお仕事です。実際、事務作業などは自宅で、お客様との面談などの際には落ち着いたカフェやホテルのラウンジでという形で活動されている方は少なくありません。
その上、ここで紹介した備品は結婚相談所を開業するからといって新調する必要はありませんし、専用のものやハイスペックなものを使う必要もありません。
自宅で既にお持ちのパソコンや携帯電話を使って開業されるのであれば、備品代は0円で開業することができます。
事務所を借りる必要が出てきた場合は月1万円程度で借りられる「シェアオフィス」を利用すれば初期費用を抑えることが可能です。
既に大勢の会員を抱えている「連盟への加盟金」
連盟は「結婚したい人」のデータベースを持っており、そこには大勢の男女が会員として既に登録しています。連盟に加盟すれば、この会員データベースを利用することができます。極論、連盟に加盟しなくても結婚相談所を開業することはできるのですが、自分の人脈の範囲でしかお相手を紹介できません。
より多くのお相手を紹介できるようにするため、最もスタンダードな開業方法が連盟への加盟なのです。
また、連盟へ加入すると、結婚相談所の開業サポートから開業後のフォローまでしてくれます。集客や運営方法に悩まされず、収益の上がる結婚相談所を開業したいのであれば、連盟に加盟して損はありません。
開業資金・ロイヤリティ業種別比較表 | |||
業種 | 会社名 | 開業資金(目安) | ロイヤリティ |
リラクゼーション業 | R社 | 510万円 | 8% |
学習塾 | A社 | 397万円 | 10% |
買取業 | O社 | 332万円 | 10% |
結婚相談所 | 日本仲人連盟 (NNR) |
60万円 | なし |
連盟に加入するためには「加盟金」の支払いが必要になりますが、上記の表を見ていただければ分かるように、他の業種に比べてかなり安価で収まります。それだけでなく、他業種のように本部へのロイヤリティが発生することがありません。
開業資金をグッと抑えて、事業をスタートできるのです。
「加盟金、結構かかるな……」と思われるかもしれませんが、研修などで結婚相談所の運営ノウハウが身につく、多くの会員情報が提供される、開業や活動のサポートが受けられる、連盟の看板が使えるといった多数のメリットと照らし合わせてみてください。
婚活ビジネスが未経験の方、個人事業主としてはじめて独立される方、経営経験がない方で、結婚相談所を開業して結婚カウンセラー・仲人として活躍されたいと思うのであれば、これらのメリットを生かすためにも連盟へ加盟しての開業が一番ではないでしょうか。
「実質0円」で結婚相談所の開業も可能!
もちろん連盟に加盟せず、実質0円で結婚相談所を始めることも「可能」です。
前述したように、わざわざ事務所を構える必要もありませんし、特別な資格や経験も必要ありませんから、実質0円で今すぐ始められます。
ただ、0円で結婚相談所を開業した場合は、収益が上がらないリスクがあることも頭に入れておきましょう。
なぜなら、あなたの結婚相談所に入会される方がいても、紹介できるお相手の限界が直ぐに来てしまうからです。「独身男女の友人・知人が多く、入会してくれると言っている」「独身の友だちに“いい人紹介してくれない?”とよく相談されるから大丈夫」という方がたまにおられますが、ビジネスとして軌道に乗せることをお考えであれば、難しいと言わざるを得ません。
収益が上がらないと、マイナス収支にもなりかねません。慎重に判断されてくださいね。
結婚相談所は支出をコントロールしやすく、加盟後も安心の料金体系
結婚相談所は開業資金だけでなく、ランニングコストも最小限に抑えられます。ランニングコストにかかってくる費用を、他業種の相場と比較してみましょう。
家賃(テナント料)
自宅で開業すれば家賃は0円です。事務所やオフィスを借りたとしても、+月数千円~10万円ほどで済むため、他業種に比べて圧倒的に安価に抑えられます。
人件費
他業種と違い、結婚相談所は1人で開業できるため人件費がかかってきません。
通信費
格安SIMとフリーのポケットwi-fiを利用すれば、月5千円程度に収めることができます。
広告宣伝費
「広告宣伝費は必要では?」と思われるかもしれませんが、結婚相談所の開業直後は知人の紹介やホームページの活用のみでOK。広告を出さずに事業として成立するだけの会員数を集めている相談所は多いです。チラシも自分で作って印刷すれば、印刷費しかかかってきません。
連盟の中には「自社が運営しているホームページに広告を出せば必ず集客できる」と謳うところがありますが、「広告を出す=集客できる」とは必ずしもならないことを理解しましょう。
考えみてください。結婚相談所を開業したばかりのホームページと、10年以上のキャリアがある結婚相談所のホームページ。どちらの方が情報量が多いでしょうか。筆者は様々な結婚相談所のホームページを見ますが、圧倒的に後者です。結婚相談所を探している人が、情報量の少ないホームページと多いホームページを見て、どちらに問い合わせしてみたくなるかは、言わずもがなですよね。ネットから集客を考える場合は所属連盟に広告費を払うより、先ずはご自身のホームページのコンテンツ充実をはかることをオススメします。
広告を出すことがNGと言っているわけではありません。チラシをポスティングしたり、地域紙やバスに広告を出して成功している相談所が、令和の世の中でもあります。集客したいエリア、ターゲットとしている年齢層などと照らし合わせることが重要です。
○広告宣伝費の補足
現在は、「リスティング広告」と呼ばれるネット広告が主流です。リスティング広告とはGoogleやYahoo!などの検索結果画面に表示される広告のことで、幅広い業界で用いられる手法です。例えば東京で学習塾を探している親御さんは「学習塾 東京」といったキーワードで検索して自分の子どもに合った塾を探すことが予想されます。
そういったキーワードの検索結果画面に広告を掲載して自分の学習塾のホームページに誘導することで、集客につなげることができます。
誰でも出稿できるのが強みですが、だからといって誰もが成果を挙げられるとは限りません。複雑な設定が必要、難解な管理画面を見ながら運用をしなければいけない、聞き慣れない専門用語を数多く理解しなければいけないなど、専門的なスキルや知識を身に着けないと使いこなすことが難しいのが実情です。
結婚相談所は有形物を提供するビジネスではありません。仕入れ費がかからないため、在庫リスクを気にする必要もありません。フランチャイズ契約で発生するような更新費やロイヤリティーなども、一切かかりません。
費用ごとに見ても、結婚相談所のランニングコストがいかに最小限で抑えられ、且つ低リスクであるかが、お分かりいただけるかと思います。ただし、以下の二つの項目は、加盟する連盟により金額などが違いますので、注意が必要です。
1.月会費
「システム利用料」とも呼ばれています。連盟に加盟して結婚相談所を開業すると、登録されている会員情報を検索、閲覧できるようになり、お見合いの申し込みなどもできるようになります。
このシステムを利用するために月々支払う費用が、連盟により差があります。多いところですと、年間で26万円以上にもなります。その価格設定になる理由があるのですが、年間30万円近くを支払い、黒字にするためには、相談所に入会している会員数を少なくとも3人以上で維持し続ける必要があります。ご自身の開業後のプランなどと照らし合わせ、どの連盟に加盟するかをしっかりと検討することをお勧めします。
2.加盟後のサポート体制
これも、連盟により様々です。しっかりとした研修制度が整っている連盟もあれば、そうでない連盟もあります。未経験で開業された方は、分からないことが多くて当然です。連盟が開催する各種研修やセミナーがあれば、できるだけ活用すると良いでしょう。このような研修が有料の連盟もありますので、全ての研修に参加するとかなりの額になるといったケースもあります。加盟後、どの程度のフォローを、いくらでしてもらえるのかといったことも、加盟を考えるうえで欠かせないポイントと言えるでしょう。
低リスクで結婚相談所を開業したいなら、自治体を上手に活用しよう
開業資金もランニングコストも最小限に抑えられる結婚相談所ですが、もっと低リスクで始めることができます。実は今、婚活に力を入れる自治体が増えてきており、結婚相談所の開業を後押しする制度も出てきているのです! これを利用すれば、より費用面を抑えて開業することができます。
婚活事業に補助金を交付してくれる自治体は多い
青森県では「結婚を促進するための事業を行う団体に対して最大30万円の補助金を交付」、「20歳以上40歳以下で15人以上の男女混合の同窓会を開催する場合、補助対象経費または出席人数に2千円を乗じて得た額のいずれか少ない額で上限5万円の補助金が出る」とされています。
厚生労働省の「中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)」は、40代以上でこれから起業を行う人、事業を開始して間もない法人事業主、個人事業主が対象の助成金です。
今は終身雇用が崩壊しつつあり、自分の力で生きていくことが求められている時代です。起業家が増えればイノベーションが興り経済発展にもつながります。国も自治体も起業に注目し、これからビジネスを始めようとしている方を積極的にサポートしようという方向に舵取りをしています。
この追い風に乗らない手はありません。一度、どんな制度があるのかを調べてみて、お近くの公的機関に相談してみましょう。
まとめ
結婚相談所が他業種よりも費用を抑えて、低リスクで始められることがお分かりいただけたのではないでしょうか。ですが、ビジネスは開業時にきちんとランニングコストや今後の集客、運営について考えてスタートしないとうまくいきません。
多額の開業資金を回収できずに悩んでいる話や、ランニングコストが高いがために、多額の広告費を使って会員数を増やしたはいいものの、会員のサポートにまで手が回らないため実績が出せず、さらに会員を集めなければいけないという、負の連鎖に陥っている話も耳にするケースがあります。加盟金やランニングコストだけでなく、ノウハウを持っている連盟に加盟することが大事なのです。
日本仲人連盟(NNR)は加盟金・ランニングコストを最小限に抑えられ、加盟結婚相談所は全国に約800件。独身男女登録会員数は約15,000名という日本でも有数の結婚相談所ネットワークを持っていますので、お見合い・成婚が成立しやすい環境をご提供できます。
それだけでなく、多くの結婚相談所、会員をサポートした経験や自身で結婚相談所を運営していた経験を活かして、結婚相談所の運営に必要な基礎知識をお教えし、開業をサポート。開業後も各種研修やセミナーなどで、45年以上かけて蓄積したノウハウをお伝えしています。
資料送付や説明会を随時行っておりますので、結婚相談所の開業をお考えの方は一度お気軽にご相談・お問い合わせしてみてはいかがでしょうか。