結婚相談所を運営するにあたって「ペルソナ」を決めて、ターゲットを絞るということは非常に重要です。開業する際にまずやっていただきたいことと言っても過言ではありません。
今回は結婚相談所を開業する上でペルソナを決めることの重要性と決め方について、ご紹介いたします!
そもそもペルソナとは?
ペルソナとはマーケティング業界で使われる言葉で、顧客の人物モデルのことを指します。あなたが「こういう人を集客したい」というイメージを具体的にしたものがペルソナです。
ペルソナは「具体的な一人」をイメージして設定することが重要!
ペルソナを決めるときに重要なのは、なるべく具体的にかつ細かく決めるということ。架空の人物を作り出してしまうのがコツです。
年齢、性別、住んでいる場所、職業、年収、趣味、家族構成、価値観、ライフスタイルなど、事細かに決めていきます。結婚相談所なら、これらに加えて「初婚か既婚か」「結婚相手に求める条件」「婚活で悩んでいること」といったことも想定してみましょう。
たとえば、以下のようなイメージです。
山田花子さん。29歳女性、東京都世田谷区在住、営業職、年収400万円、残業が多くてなかなか婚活する時間がもてない、趣味は旅行とカフェ巡りでSNSにそのときの写真をアップする、実家で父親と母親と同居、まだ結婚したことがなくて30歳目前にして焦っている、大卒以上で年収500万円以上の年上の男性(35歳まで)とめぐり逢いたい。
このように、具体的な人物像をイメージして「山田花子さん」というキャラクターを作り出しましょう。そして、これから山田花子さんに向けてメッセージや情報を発信して集客していくのです。
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナと似たような言葉で、「ターゲット」というものがあります。日本語では「標的」という意味。ペルソナが「どういった人を集めたいか?」というのに対して、「どういった人たちを集めたいか?」というイメージがターゲットです。
こちらはある程度幅をもたせて設定してください。「20代後半~30代前半の女性」「年収350~500万円」「初婚・既婚問わず」といった感じでも問題ありません。
まずは集めたい客層を考えてターゲットを決め、その後に具体的なペルソナを決めるという順序で考えていくと、スムーズに戦略が立てられるかと思います。ターゲットはなんとなく決まっているけど、ペルソナは決まっていない。そんな状況では、戦略的な結婚相談所運営は難しいでしょう。
ペルソナを決めることの重要性
ペルソナで架空の顧客像を作り出すことで、その人が興味を持つ集客内容を考えることができるようになります。
ペルソナを決めずに幅広いターゲットを集客しようとすると、「20~30代向けの結婚相談所」「好条件の相手が見つかります」というようなぼんやりとした、誰にも響かない内容になってしまうでしょう。
たとえば、前述の山田花子さんをペルソナとして決めた場合、「世田谷区で結婚するなら」「年収500万円のハイスペックな男性会員在籍」「30歳までに結婚を成功させませんか?」みたいなキャッチコピーを作ることができるようになります。
ペルソナを決めることで、より具体的なキャッチコピーや情報を発信できるようになり、それが顧客の興味を引くようになるのです。
ペルソナを決める=お客様が減ることにはならない!
ここで、多くの方が「ペルソナを絞り込むことで、多くの人に見てもらえなくなるのでは?」「客層が狭まるので会員さんが減ってしまうのでは?」と不安に思われるかもしれません。しかし、むしろその逆で、ペルソナを絞ったほうがお客さまは増えることが多いのです。たった1人の人に向けた内容は、実は他の人にとっても需要があるものとなり得ます。
山田花子さんと全く同じような人はいないかもしれません。しかし、「世田谷区で結婚相談所を探している」「30歳を目前にして焦っている」「年上の男性と出会いたい」「年収500万円以上の男性と結婚したい」といった状況のいずれかに当てはまる人は数多くいるでしょう。そういった人たちが山田花子さん向けのメッセージを見て、「私もそうかも」「この結婚相談所なら私もなんとかなるかも」と自分ごととして考えて、結婚相談所に来てくれるようになるのです。
それに、ターゲット以外の人が興味を持つこともあります。たとえば婚活のノウハウなどは層が違っていても共通する部分があるものです。20代後半の未婚の女性に向けた婚活ノウハウに関するコンテンツを見て、結婚歴がある女性や40代の女性が反応することもあり得ます。自分ごととして捉えられる部分があるのなら、ターゲット以外の人にメッセージが響くこともあるのです。
万人を対象にしたありきたりの内容やぼんやりとした内容では、誰の心にも響かないので集客はできません。ターゲットを絞り、しっかりとペルソナを決めることで刺さる集客が実現でき、結果的に多くの人の心に響かせることができるようになります。
ペルソナを設定することのメリット
ペルソナを設定する必要性についてはご理解いただけたかと思いますが、具体的にペルソナを設定することでさまざまなメリットが生まれます。どんな良いことがあるのか?見ていきましょう。
自分の結婚相談所の強みや特徴がハッキリする
万人受けを狙うと結婚相談所も強みがない、特徴がないものになってしまいます。ペルソナを設定することで、集客がしやすくなるだけでなく結婚相談所の強みや特徴などもハッキリします。
会員のキャラクターをペルソナで決めれば、「20代後半向けの結婚相談所」「ハイスペックな男性会員がいる結婚相談所」「世田谷区に強い結婚相談所」など、ご自身の結婚相談所のキャラクターも決まってくるのです。
仮に、それが今実現できていなかったとしても、「20代後半に特化してみよう」「地域密着型を前面に押し出してみよう」というように、今後の運営方針や目標が明確になりますので、より競争力が高い結婚相談所を目指すことができます。
顧客に刺さるコンテンツの企画や、コミュニケーションの取り方ができる
ペルソナを決めることで、コンテンツや企画の質もアップします。ペルソナが決まっていないと、「婚活のコツ」「早く結婚するためには」といった、ぼんやりとした内容のコンテンツをついつい作りがちになってしまいます。
前述の29歳で結婚を焦っている山田花子さんを読者として想定するなら、「20代女性が今すぐ結婚相談所で婚活を始めた方がいい理由」「30歳までに結婚したい方へ。失敗しないための相手の選び方」のようなコンテンツを発信することができるようになります。より内容に具体性や独自性が帯びて、コンテンツの質が格段に高くなります。
結婚相談所の企画も変わってくるでしょう。街コンやお見合いパーティーを開くにしても、「誰でもOK」ではなく、「男性の年収は500万円以上」「世田谷区在住」という条件を設けることで、むしろターゲットが集まりやすい企画にブラッシュアップすることができます。
さらに、ペルソナを明確にすることで会員さんとのコミュニケーションも変わってくるはずです。山田花子さんは営業職で残業が多くて忙しいという設定でした。であるならば、「打ち合わせは夜間も対応する」「電話やメール、LINEでの相談や相手の紹介も可能」というような運営体制をとって、その旨を発信することで、「忙しくても婚活をサポートしてくれる」「しっかりと相手を紹介してくれる」という安心感を与えることができ、仕事で忙しい人も会員として獲得することができるようになります。今まで忙しくて結婚願望があったけど何もしてこなかったという、新しい層も開拓できるかもしれません。
ペルソナを決めれば、集客方法だけでなく結婚相談所のサービスの質も向上させることができます。
顧客視点で物事を考えられるようになる
ターゲットを絞ってペルソナを設定するという作業は非常に頭を使います。しかし、その分顧客視点で物事を考えられるようになるでしょう。
特定の人物像を作り上げる際には、「この年代の人はどんなライフスタイルなんだろう?」「結婚に対してどんな価値観を持っているのだろう?」「この人は婚活でどんなことに悩んでいるのだろう?」「どんな相手を望んでいるんだろう?」……というように、さまざまな思考を巡らすことになります。
さらに、ペルソナが明確になってきたら「この年代の人は結婚相談所に何を求めているのだろう?」「この価値観の人にはどんな相手を紹介すれば良いのだろう?」「この状況の人にはどんな情報を提供したら喜んでくれるのだろう?」というような思考ができるようになってきます。
架空の人物を作り、その人が何を求めているのかをイメージする。ペルソナ作りは顧客視点で物事を考えるトレーニングにもなるのです。
効果的な集客媒体を選びやすくなる
新聞広告、チラシ、フリーペーパー、看板、ホームページ、SNS、インターネット広告など、集客媒体はさまざまあります。集客媒体を間違えると、広告費を使っても思ったほど会員さんが集まらないという状況になりかねません。
たとえば20代をターゲットにするのであれば、新聞広告やチラシよりもホームページやSNSでの集客やインターネット広告のほうが効果的でしょう。今の20代の新聞購読率は10%以下なので、お金をかけて新聞広告を打ってもあまり効果は期待できません。逆に、ほとんどの人がスマホで情報収集をしているので、ホームページやSNS、ネット広告のほうが費用対効果は高いと考えられるのです。
前述の山田花子さんの趣味はカフェ巡りでした。そう考えると、20代女性が集まるカフェにチラシや名刺を置いてもらうというのも良いかもしれません。
逆に、シニア層だとネットよりも新聞で情報収集する人も多いので、ネット広告よりも新聞広告を打ったほうが費用対効果は高い可能性もあります。
このように、ペルソナを決めることで、最適な集客媒体すらも明らかになるのです。
まとめ
結婚相談所を開業する際には、ペルソナの設定は必ず行い、それに基づいて事業戦略や集客方法を考えていきましょう。
日本仲人連盟(NNR)では、戦略作りも含めてさまざまなセミナーを開催して、加盟されている結婚相談所さまをサポートさせていただいております。婚活ビジネスや結婚相談所の経営にご興味がありましたら、まずは資料請求をしていただくか説明会に参加してみてください。